この小規模事業者持続化補助金を申請する際の流れや必要書類は前回のブログでご説明致しましたが、
申請での注意すべき点や採択されやすくなるポイントについて解説します。

1.お客様が中小事業者であるか?:

これは非常に重要ですが、常時使用する従業員が、サービス業や小売り業は5名以下、製造業は20名以下で
あれば補助申請の要件を満たします。

2.申請しやすいのは、「広報費」「ウェブサイト関連費」:

この補助金の給付目的の一つは 
 「販路開拓」であり、多くの事業者はチラシやパンフレットの作成や配布、看板の設置 
 費用、また最近はホームページを集客の手段として活用する事業者が増えており、多く
 の事業者はそれらを費用計上するためです。
  注意していただきたいのは、お客様の今までの事業の延長上で行う事には補助金は
 出ないということです。例えば、広報費としての申請でも従来のパンフレットの  
 増刷の費用を申請しても採択されませんが、新しい事業のPRとしてのパンフレットの
 作成であれば申請可能です。また交付決定がされる前に使った費用は補助の対象には
 なりません(後払いの原則)。

3.経営計画・事業計画書をうまく作成できるか?:

これが申請時の最大の難関です。
補助金は、良い経営計画・事業計画でないと審査員が採択しません。では、採択
され る良い計画とはどのようなものでしょうか?

国や自治体が民間の事業を補助するのですから、推し進める政策に沿った事業である
ことが必要なのは言うまでもありません。
かつ、今までとは異なる取り組みであること(新規性)、他が行っていないものである
こと(独自性)、よく考えられた、一味違う事業であること(創意工夫)、そして、
その事業が実現できるような計画であること(実現可能性)、 これらを事業計画に
うまく織り込んで作成することが重要になります。
  要は、お客様の考える事業が、今まで無かったような新しい取組みであり(世界や
日本で初めて、のレベルでは無く、その地域で今まで無かった、で可)、それを実行
することで、国や自治体の政策に効果が期待できそうなものであれば採択される
可能性が高まります。それをよく練って計画に落としこむ事が必要になります。

  まず経営計画書ですが、これは、申請者であるお客様の過去から現在迄の事業の
概要を記載し、経営上の課題や今後の方針や経営目標を明確にするものです。冷静に
現状を分析し、自社の強みと弱みを明らかにします。

そこで明らかにした弱みを克服し、お客様の考える新しい取組をこれから事業として
進めるために具体的な計画内容や掛る費用について記載して作成するのが事業計画書
です。ここでは、その取り組みが競合する他社と違う点をはっきりとさせることが
重要になります。またその取り組みによる効果(売上など)を盛り込みます。加えて
それを行うことの社会的な意義も必要です。例えば、現在であれば、その取り組みに
より、CO2の削減や少子化対策や食品ロス低減、過疎地対策など、政策の目的との
整合性がある事が重要です。
 ですので、経営計画はお客様の事業に関する戦略であり、事業計画はその戦略を実行して
行く為の戦術と言えます。

 その戦略(経営の目標、方向性)を戦術(新たな事業)を行うことで、自社の弱みを克服し、
かつ政策に沿って社会に貢献する、というストーリーを経営計画書・事業計画書で表すことが
採択されるためのポイントになります。

 上記以外に申請書には様々な事項の記載が必要になります。必要書類と合わせると
相当な手続きが必要になります。次回は採択された後のことを解説します。

我々行政書士は、申請者であるお客様の申請から採択、交付後も補助金の精算払いや
状況報告までお客様に伴走してお手伝いをして参ります。

行政書士西川晃敏事務所(開業準備中)