これまでのブログでは、主に「会社」という法人について解説してきました。
株式会社や合同会社など、事業を行うための“会社”は、私たちの生活でも最も身近な法人です。
しかし、法人は会社だけではありません。
実は、会社以外にもさまざまな法人があり、それぞれ目的や仕組みが大きく異なります。
そこで今回は、「会社以外の法人」=非営利法人を中心に、私法人の全体像と特徴を
分かりやすく説明します。

1. 法人とは何か

法人とは、法律によって「人」と同じように扱われる組織のことです。
自然人(人間)と同じように、法人名義で次のような行為ができます。

• 不動産の所有
• 銀行口座の開設
• 契約の締結
• 従業員の雇用

つまり、組織そのものが一人の“人”として権利義務を持つという仕組みです。

2. 法人の大きな分類

法人は大きく次の2つに分かれます。
①公法人
国や自治体など、公共の利益を目的とする法人。
②私法人
個人や団体が設立する法人で、さらに
• 営利法人(会社)
• 非営利法人(会社以外の法人)

に分かれます。
今回の記事では、私法人のうち「会社以外の法人」=非営利法人に焦点を当てます。

3. 私法人の種類

私法人は次のように分類されます。

営利法人(会社法に基づく「会社」)
 株式会社、合同会社、合名会社、合資会社
(これらは前回までのブログで説明済みですね)

非営利法人(会社以外の法人)
• 一般社団法人
• 一般財団法人
• 公益社団法人
• 公益財団法人
• NPO法人(特定非営利活動法人)

4. 会社と「その他の法人」の違い

会社(営利法人)
• 利益を構成員に分配することが目的
• 株主や社員に利益を還元する仕組み
• 事業活動を通じて利益を追求する

その他の法人(非営利法人)
• 利益を構成員に分配しない
• 収益事業は可能だが、利益は団体の活動に再投資
• 社会活動・公益活動・地域活動などに向く

5. 「会社以外の法人」それぞれの特徴

1)一般社団法人
 共通の目的を持つ人々が集まり、その目的の実現を目指すために設立される法人です。
 特徴
 •2名以上で設立可能
 •非営利だが収益事業はできる
 •利益を構成員に分配しない
 •手続きが比較的簡単で柔軟性が高い

どんな活動に向いているか?
 •スポーツクラブ
 •業界団体
 •地域活動団体
 •イベント運営

2)一般財団法人
 特定の目的を実現するために、拠出された財産を基礎として設立される法人です。
 特徴
 •財産の拠出によって設立
 •理事会などの組織運営が必要
 •公益性の高い活動に向く

どんな活動に向いているか?
 •奨学金事業
 •文化・芸術支援
 •研究助成

3)公益社団法人・公益財団法人
 社会全体の利益(公益)に資する事業を継続的に行うために設立される法人です。
 特徴
 •内閣府の「公益認定」が必要
•税制優遇がある
•公益性の高い事業を行うことが前提

どんな活動に向いているか?
•社会貢献活動
•公益性の高い事業の継続運営

4)NPO法人(特定非営利活動法人)
 社会的課題の解決や地域の公益的活動を行うために設立される法人です。
 特徴
 •社会課題の解決を目的とする
 •設立には10名以上の社員が必要で所轄庁による認証
 •寄付金控除は「認定NPO法人」のみ

どんな活動に向いているか?

 ・子育て支援
 ・福祉・教育
 •地域活性化
 •環境保全

6.まとめ

•法人は「人」と同じように扱われる組織
•私法人は「営利法人(会社)」と「非営利法人」に分かれる
•非営利法人は利益を構成員に分配しない
•活動目的に応じて最適な法人形態を選ぶことが重要

7.判りにくいのでさらにまとめると、

 似たような名前の法人ばかりで正直判りにくいと思います。端的に纏めますと、

・人が中心の活動 → 一般社団法人
 (仲間が集まって目的を実現するための法人)

・社会課題が中心の活動 → NPO法人
 (地域・福祉・教育など、社会問題の解決を目的とする法人)

・財産を活かす活動 → 一般財団法人
 (拠出されたお金や基金を使って公益的な目的を実現する法人)

・公益性と信頼性を最大化した活動 → 公益法人(公益社団・公益財団)
 (社会全体の利益のために活動し、厳格な基準と高い透明性が求められる法人)

8.どの法人を選べばよいか

社会活動・地域活動 → 一般社団法人・NPO法人
公益性の高い活動 → 公益法人
財産を活用した公益活動 → 一般財団法人・公益財団法人

皆さんの達成したい目的によって最適な法人は異なります。各法人の特徴を理解したうえでベストな法人を選ばれることをお勧めします。

行政書士 西川晃敏事務所(開業準備中)