事業を始める際、多くの場合で許認可の取得が必要になります。日本には15,000件以上の許認可があり、
種類ごとに要件や手続き、必要書類が異なります。本記事では、申請前に決めておくべきポイントと、
許認可取得に共通する基本的な要件について分かりやすくまとめます。

●申請前に決めておくこと

許認可申請の前に、まず次の点を明確にしてください。

  • 何をするのか:業種や業務範囲を具体的に定め、所管官署に対応した申請を行う必要があります。
    業種によって「許可」「認可」「登録」「届出」など申請区分や所管が異なります。
  • いつから始めるのか:希望開始日から逆算して準備を進めましょう。許認可によっては審査に時間がかかり、
    補正が入ることもあるため、余裕を持った準備が重要です。
  • 法令の確認:申請者や役員が欠格事由に該当しないか、該当する法令を事前に確認してください。

●許可を得るための三つの要件

多くの許認可に共通する基本的な要件は、ヒト・モノ・カネの三つです。以下に代表的な例を挙げます。

1.人的要件(ヒト)

  • 事業に必要な資格や役職者の配置が求められます。                         例:宅地建物取引業では宅地建物取引士が必要です。宅建士は重要事項説明や書面への記名など独占業務が  あるため、配置がないと業務ができません。
  • 飲食店営業では食品衛生責任者、建設業では経営業務管理責任者や営業所技術者の配置などが求められます。

2.物的要件(モノ)

    • 事業に必要な設備や施設が基準を満たしていることが必要です。                    例:営業所の実在性、飲食店の立地や衛生基準、建設業の機械設備など。単に設備があるだけでなく、
       法令や基準に適合していることが求められます。

    3.財産要件(カネ)

      • 事業を安定的に継続できる資金的基盤があることを示す必要があります。                例:宅建業では本店で1,000万円、営業所ごとに500万円の営業保証金の供託、または保証協会への加入と  一定金額の納付が必要です。
        建設業の一般建設業では500万円以上の自己資本や資金調達力の証明が求められます。
      • 一方で、飲食業や古物商など、財産要件が厳しく問われない業種もあります。

      ●その他の要件

      三つの要件以外にも、業種ごとに細かな要件が定められています。たとえば建設業では社会保険の加入が必須で あったり、欠格事由の規定が厳格に適用されたりします。これらは申請者本人だけでなく、役員にも求められる場合があります。

      ・おわりに

      許認可は種類が多く、すべてを個別に説明するのは難しいため、本稿では共通のポイントに絞って解説しました。  次回は、許認可の件数が多い宅建業を例に、具体的な申請手続きや必要書類について詳しく説明します。

      行政書士 西川晃敏事務所(開業準備中)